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今さらネタですが、どう見ても00のグラハムがシュナイゼルとスザクの子供に見え…ゲフゴフ
なので、パロネタ?パラレルです。

私はオツムが弱いので世界設定ちゃんと理解シテナイデスヨ気にしたら負け。

苦手な方はご注意を。

―――――――――



 
 皇子と渾名される事がままある。
 自分の能力でテストパイロットにもエースにも上り詰めたつもりだ。
 それでも……私は……

 「おや、どうしたんだい?グラハム。ずいぶんと難しい顔をしているようだけど。」

 「そうか?他愛もない感傷さ」

 コーヒーを片手に技術顧問のビリー・カタギリは珍獣でもみるような顔で相棒と言っても差し支えないであろうパイロットを見つめた。

 「ならいいけどねぇ…それにしてもプレジデントも随分と奮発してくれたよね。開発費用の事もそうだけど。フラッグの前身たるKMFの功労者、あの天才アスプルンド伯爵とアインシュタイン女史を隊にいれてくれるなんて!」

 珍しく頬を赤くして捲くし立てるカタギリを見てグラハムは一つ溜息をついた。
 エイフマン教授だけでも高待遇だというのに…。

 それが悩みの一つでもある。つまり―――優遇されすぎているのだ。

 「あの人たちの手にかかればガンダム以上の機体も作れるだろうねぇ…もちろんフラッグとしてね。」

 まるで、盲信者のように腕を広げて如何に彼らが偉大なのかをとうとうと説明するカタギリに肩を軽く竦める。
 それに気付いたのか、やや声のトーンを落としてビリーはそういえば…とグラハムを見て続けた。

 「皇妃様の双子の兄上もテストパイロットらしかったじゃないか。しかもあのお二人の!叔父甥で新型機のテストパイロットだなんて流石だよ。」

 それに携われる僕も幸せものだと、もはや人格が変わっているとしか思えない顧問を見て、グラハムは深く嘆息した。

 自分の実力以上に自分の立場からの優遇がアンフェアで面白くない。もちろん優遇されたからには、それ以上に見合う働きも功績も残すつもりだ。

 その事に関しての気鬱もあるが―――

 「叔父甥…ね…」

 叔父ではなく、その男と母子だと言ったらすぐにメディカルチェックを受けさせられるだろう。
 皮肉った笑みが浮かびそうになるのを噛み締め、奇妙な顔になっていたのだろう。
 カタギリが言っては拙かっただろうかと鎮痛な面持ちで目線をあわせにしゃがんできた。

 「君が生まれる前にお亡くなりになったそうだね。だから…大丈夫かと思っていたんだけど。」

 自分が口に出していい事ではなかったかと不安そうな顔で謝られては仕方がない。
 困った顔を浮かべている目の前の長身の男の口にドーナツを突っ込んで豪快に笑って見せた。

 「私はその叔父とやらさえ凌駕する存在になってみせるとも!」

 そう、母上には負けはしない……その力が今はある。
 あの時とは違う―――――しっかりと守る事が出来る筈だ。




 世界はサクラダイト、そして化石燃料、さらには太陽光システムを巡って大きく三つに分かれていた。
 否、もともとブリタニアの勢力過多により勢力は三つに分かれていたと言っても過言ではない。

 ブラックリベリオン後、矯正エリアに格下げになりながらも、そこから衛生エリアまで上り詰めたエリア11を含むブリタニア下植民地諸国とブリタニア本国を含めたユニオン。

 ブリタニアに最後まで抗った中華連邦とその庇護化という名の傀儡諸国、人革連。そして、EU。

 この三大勢力の中でもっとも様変わりをしたのはブリタニア本国を含むユニオンだろう。

 シャルル・ジ・ブリタニア引退後、後継のシュナイゼル・エル・ブリタニアは大胆な改革に打って出た。
 皇帝という役職の名はそのままに、しかし役割は王…もしくはエリア11の象徴としての天皇に近しい存在へと姿を変える。
 もっともエリア11の天皇職よりも政治的介入も勢力もまだまだ皇帝のものの方が強いとはいえ、拮抗するとは言わないまでもプレジデントをトップとした政治機関を置く事となった。

 シュナイゼルが後継になるのは誰しもが認める所ではあるものの、世襲制で全政治を担うには難しい問題が起こり始めたからだ。

 つまり……

 「私には弟も妹ももう出来ないんですか?」

 「そうだね、母上はお前を生む時に少し無理をしてしまったから、もう産めないだろう」

 シュナイゼルは7つになったばかりの幼い子どもを抱き上げて優しく髪を撫でながら答えた。
 コーネリアが第2子を出産したのはつい何ヶ月か前だ。仲の良い第1子に自慢でもされたのだろう。

 子供は真上を向いて母親譲りのくるんとした緑色の瞳にシュナイゼルを写しながら畳み掛ける。

 「おじい様は何人もこう妃をむかえたのに、父様はむかえないのですか?」

 それに、参ったなという笑みを浮かべれば、顔を顰めて子供は続けた。

 「…だって……」

 子供の顔の曇り具合から、口さがない大人の言葉も無関係ではないとわかり、腹の中で余計なことをと少し苛立つ。

 「私は母上だけを愛している。他と子供を産ませるためだけに婚姻はしないよ。」

 物言いたげな子供の、やはり母親譲りのふわふわとした髪質の自分譲りの金髪をなで梳いた。
 
 だけど、父様…母様は何で人前に殆ど出ないのですか?何でいつも悲しそうに笑うのですか?何で……

 疑問は尽きない。その顔に気づいたのか悪戯を思いついたような顔でシュナイゼルは息子に尋ねた。

 「グラハムは母様じゃ不満かい?」

 言われて思い浮べる。やや低く掠れた耳触りのいい声、ふわふわの髪に綺麗な目、優しい笑顔に手も暖かい。それに、以外とおとなしそうに見えて怒ると誰よりも怖くて強い。

 ふるふると頭を振るグラハムにシュナイゼルは満足そうに頷いた。

 「さぁ、母様の所に行っておいで、きっと淋しがっているよ。」

 シュナイゼルが背中を押すと幼いグラハムは宮殿の中に走っていく。
 年のわりには、かなり素早い。

 「やはり、スザク似だな…」

 ぽつりとシュナイゼルが呟いたのと同じ瞬間、駆け抜けてくる息子に花壇の前にいたスザクは目を細めてグラハムを抱きしめる。

 綺麗な顔、秀でた知能、どこかフェミニストで優雅さが漂う仕草、自信家な所。

 「…おかえり、グラハム……君は本当に、お父様似だね。」

 嬉しそうに目を細めて笑うグラハムの頭を撫でながら、立ち上がりシュナイゼルをいつもの日課で迎える。

 ただ、いずれ母親だと思っていた人間が男だと知ったら……真実がバレでもしたら。
 その時を思うとスザクは恐怖に背筋を微かに震わした。

 でも、まだ…まだそれは考える必要がない。わからない事は、考えたら、いけないのだから。





―――――――
いや、だってあまりに二人に似てるから・・・つい。
続くかどうかは不明。
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